それでも生きていく為に・・・

音楽、料理、小説、時々、創価学会

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アムウェイと創価学会④

アムウェイと創価学会④ 


 
喫茶店で雑談をしている時に考えていたことは、これまで木村がアムウェイについて語ったレトリックや今日のラリーが、学会の折伏のそれとピタリと符号することだった。可笑しくて笑いそうになった。
特にラリーの内容、構成等は学会のセミナーそっくりだった。興味ある事例で相手の意識を引き寄せ、いくつかの体験談発表があり、最後に大物(幹部)が出てきて話す。

会話が途切れたときに僕は言った。
「実はね・・・・・・俺、信仰やってるんだよ・・・・・・創価学会ね・・・・・・」
「・・・創価学会?・・・」
彼は幾分驚いた様子だったが、話してみると学会についてはあまり詳しくはなかった。公明党を支持していることと、池田大作という名前くらいだった。

僕はあらゆる観点で学会について語った。日蓮大聖人、仏教、歴史、平和、ご本尊、そして自身の信仰体験。
「オマエもやらないか?」ということは一切言わなかったが、目の前にいる僕という人間がその様な思想と信仰と哲学を持って生きているんだということを明かした。
彼は興味深そうに聞いていたが、時折、居心地の悪い表情を見せた。
僕は、彼を絶対折伏しようという意識まではなかったが、とことん話してみる価値はある。そして話せる状況でもある。(いやらしいが)これでイーブンになったのだ。

正直、僕がこれまで見てきた彼の言動、アムウェイそのものについて、そして今日のラリーの内容とそこにいる人間達の表情にある種の同情を禁じえなかった。
色あせて見え、例えていうなら、あらゆる最高の料理を食べつくした人間に向かって、ファミリーレストランのハンバーグがいかに美味しくて、最高で、究極の料理であるかを熱心に説いてる、そんな風に感じたのだ。
僕はその辺りを言葉を選んで、柔らかく言った。こんな内容だ。

幸福の種類は様々だ。価値観も違う。でも優劣はある。君の言っている全てが相対的幸福に過ぎない。金持ちになることは否定しない。でもそれだけじゃない。絶対的な幸福というものがある。僕らはそれを持っているし、それを生み出す術も知っている。高い次元であらゆる種の幸福を内包したものを持っている。そこには簡単に相対的幸福を生み出す(現世利益、つまり金持ちになることも夢を叶えることも)可能性も十分過ぎるほど兼ね備えてある。いや、簡単だ。そういうものを僕は肉体と生命に刻んで生きている。熱心にここまでアムウェイを勧めてくれて申し訳ないが、君の言っていることは、車の免許を持って既に車を購入して運転している人間に対して、「ねえ、Hさん(僕)、知ってました? 遠い距離を移動するのに自転車という乗り物があると便利ですよ」と言っている様なものだよ。

彼の顔は次第に厳しくなり、みるみる険しくなった。(当たり前だ。それが狙いなのだから)
彼は自分が最高の生き方だと自負していたものが否定されたことに腹を立てているのではい。自分の選んだ道が価値的にレベルの低いものだと断言されたことなのだ。

彼はきっとそこで敢えて言う必要があったのだろう。
「僕は・・・・・・学会やりませんよ

(まあ、現時点ではそう言うだろうな、フフフ)

結局、しこりを残したままお互いは別れ、次に彼はどう出るか楽しみだった。

しばらくして何かの折に飲んだときに、彼はテーブルに一冊の本を出した。それは(池田)先生の著書だった。
彼は驚くほど感動した様子で話し始めた。
「いやあ、この前、Hさんが創価学会だということで、興味があって池田さんの本買って早速読んだんですよ・・・凄いですねえ、この方。感動しました。書いてあることが素晴らしいです。」

僕だって馬鹿じゃない。そんなもの瞬時に悟ったのだ。つまり彼は、僕という人間の懐に食い込み、アムウェイをやって欲しいが為の行為なのだ。

僕は言ってみた。「じゃあ、(学会)やってみる価値あるぜ! やろうよ
「いや、それは別です。やりません」と彼はピシャリと言った。

僕はむしろアムウェイを否定しているのではなかった。問題は彼自身だった。彼は数年間のアムウェイ人生で大した結果を出していなかった。利益なんてなかった。そしてアムウェイを勧め、ガンガンにやってくれそうな人間は周りには殆どいなかった。単に友人が少ないというのもあるのだろう。以前、仕事関係で彼の仕事ぶりを見て感じたのは、彼はアムウェイという既成のシステムの中でさえも成功しないだろう、ということだ。現実として彼には最後の砦として僕しかいなかったのだ。僕という人間がアムウェイでガンガンやって多くの子分を作ってくれて利益を生み出さないと、彼の描く設計図は完成できないのだ。焦りと必死さが滲みでればでるほど、僕はアムウェイなんかよりも、彼という人間そのものに興味がなくなっていった。

そして物事は奇妙な方向へ、同時に最悪の方向に向かっていく。
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かいつぶり

Author:かいつぶり
職業 マスコミ

趣味 読書、楽器、小説を書く、料理、音楽

好きな食べ物・・・スイーツと酸味の少ないコーヒー、美味しいフランス料理と美味しいワイン。それさえあれば至福の時

好きな音楽 70年代のソウルミュージック。80年代前半の西海岸サウンド。あとジャズや、山下達郎周辺

好きな作家 ドストエフスキー、カポーティ、アーヴィング、ヴォネガット 

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