それでも生きていく為に・・・

音楽、料理、小説、時々、創価学会

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30歳の時 体験談②


①からの続き

 確か本部近くか地元の本屋だと思う。本部での題目の帰りにふらりと入った本屋で、心の解れた複雑な糸を解くのに本でも読んでみるか、とふと何気なく思いつきで買ったのが『世界の中心で、愛を叫ぶ』だった。
そもそも僕という人間は小さい頃より音楽人間だった。芸術的快楽というのだろうか、僕は音楽に一切を求めていたし、それで十分だった。それまで読書なんて大嫌いだったし、文学とは対極にいるタイプの人間だった。学生時代の読書感想文は苦手だったし、一応20代は少しだけ思想書みたいのは読んだけれど、自分でお金を出して買ったフィクションの文学作品は生まれて初めてだったといっても過言ではない。

『世界の中心で、愛を叫ぶ』を読んで不覚にも(笑)感動してしまった。同時に僕の感情の不安定さ、あるいは“心のコリ”の様なものに血が通っていく感覚を覚えた。『世界の中心で、愛を叫ぶ』がそうなのではなく、読書という行為と物語の効用によって僕は大分救われたのだ。

 それから内外問わず貪る様に本を読んだ。10冊程読んだ所で思った。
僕も書いてみよう! と。

実話ではない。様々な形状をした心や感情一つ一つに色をあてはめる様にし、それらを言葉に置き換えて、メタファーとして、書いてみたのだ。小説としての文章の書き方も句読点の打ち方も、”でにはを”の使い方も(今も酷い文章だけれど)全く分からずに。自分に起きた事や抱いた想いを率直に表現するのではなく、背景や物語の些細な部分に自分すら気付かない様に忍び込ませながら。そして軽い気持ちで大手出版社の新人文学賞に応募してみた。

 
 次の新しい物語を書き終えた頃(文学賞の結果待ちの間)に偶然にも地区の部員さんの折伏に入って決め、ご本尊送りをした翌日だった。
その日はなんとなくビールが飲みたかった。地元の駅前にあるビール・バーで夜、一人で飲んでいた。一人店でグラスを傾けるタイプの男では(今も)全くない。店で一人で飲むのはその時人生初めてだったし、家で一人で酒を飲む事すら今でもない位である。
しばらくして40代であろう清楚な感じの女性が店に一人でやって来て、二つ隣に座った。僕は全然気にしていなかった。少ししてからである。

「お一人ですか?」と僕に声を掛けてきた。

「は、はい」


仕事は何をされてるんですか? みたいな話から隣の席に移ってきて一緒に飲む事になった。正直、びっくりしてしまった。こんな事は映画やドラマの世界だけの話かと思っていたのだから。
世間話をしているうちに彼女(Aさん・外部)が離婚していて、子供がいて、近くに住んでいて、出版関係のプロの編集者である事が分かった。

「ちょっと趣味で小説書いてるんです」と僕は興味本位で言ってみた。

③へ続く。
 
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かいつぶり

Author:かいつぶり
職業 マスコミ

趣味 読書、楽器、小説を書く、料理、音楽

好きな食べ物・・・スイーツと酸味の少ないコーヒー、美味しいフランス料理と美味しいワイン。それさえあれば至福の時

好きな音楽 70年代のソウルミュージック。80年代前半の西海岸サウンド。あとジャズや、山下達郎周辺

好きな作家 ドストエフスキー、カポーティ、アーヴィング、ヴォネガット 

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